ASR2

Ashiya, Hyogo/Dec. 2006
 最初の出会いから数えるとGCP、ASRそしてこの計画で3作目になる。新しい計画を進めるのに、もう殆どヒアリングをしなくてもクライアントが何を求めているのかは感じ取れる。前回の計画で良かった点と今回の計画で改善したい点を伺う程度。 全館空調だけではない。遊びの部分も欲しいとの事でガスによる暖炉も設置。  唯一クライアントから前回までの要望にプラスされたことは、新たに家族に加わった子供達への愛情を形にすることだ。 後は、もう何もない。
 ASRから南に3km。川を渡って東に1km行ったところにある。そこには、一辺が1m近くもある大きな柱が何本も立っている。もちろんそれに見合った大きさの梁も室内を横切っている。  もともと居室のバルコニーに面していた掃き出し窓の横に新たに配した浴室は、集合住宅にも関わらず露天風呂のように開放的だ。集合住宅の改装では、窓の位置や構造躯体の位置を変更することは出来ない。しかし、既成概念を取り払いアイディアを効かせて改装すれば、快適さを得られる可能性は十分ある。
 12月の最初の週末、暖房を入れていない部屋で2人の子供が裸足で走り回っている姿は、エネルギーロスを極力抑えた集合住宅の次の姿を表している。
Photography:S.Yamashita

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